---子(鼠)にちなむ魚たち---
海とその生物にまつわる名前の由来についてお話ししましょう。
今回は、今年の干支である子(鼠)にちなんだ魚をご紹介します。
ネズミザメ(学名:Lamna ditropis)は、ネズミザメ目ネズミザメ科に属する魚類で、モウカザメ、カドザメ等の呼び名もあります。
体色もさることながら、目が丸く、口や頭を含む顔全般の形がネズミに似ていることからこの呼び名になったといわれています。
サケ・マス類を捕食することから英名ではSalmon sharkと呼ばれていますが、他にもニシン、ホッケ、マイワシ、タラ類、スルメイカ等も餌にする最高次の捕食者です。
北太平洋の亜寒帯海域に生息し、オホーツク海、ベーリング海、アラスカ湾等の寒冷環境を好むとされていますが、日本の沿岸域やカリフォルニア州沿岸等でも生息が報告されています。
特徴として内温性魚類であることが挙げられ、カツオやマグロ、カジキ等の回遊魚と共通しますが、生息海域は異なっています。
マグロ延縄(ハエナワ)漁で混獲され、大半がこの魚の国内流通の一大拠点である宮城県気仙沼に水揚げされて、主に東北地方や関東地方、また各地の山間部で流通しています。例えば北関東地方・栃木県では、「モロ(サメの肉)」の煮付けやフライなどが定番料理として親しまれています。
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