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---サバ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話ししましょう。
今回は、サバ(鯖、英名:Mackerel)をご紹介します。サバは、スズキ目サバ科サバ属に属する魚の総称です。日本近海には、マサバ(学名:Scomber japonicus)とゴマサバ(学名:Scomber australasicus)が生息しています。マサバとゴマサバは混獲されることが多いものの、北海道以南の各地沿岸に生息するマサバに対し、ゴマサバは本州以南に生息し、東シナ海や九州西岸に多く分布しており、より暖かい海域を好みます。2種は形状も類似していますが、ゴマサバの体側には、名前のとおり黒ゴマを散らしたような不規則な小黒点斑があります。
サバは昔からイワシ類やアジ類と共に、全国で大衆魚として親しまれてきました。農林水産省の平成27年漁業・養殖業生産統計(平成28年4月26日公表)を見ると、サバ類の漁獲量は約58万トンで、海面漁業の総漁獲量の約16%を占めています。そのため食べ方も様々で、生で良し(刺身や〆さば)、煮て良し(味噌煮やすき焼き)、焼いて良し(塩焼きや味噌焼き)、揚げて良し(から揚げや竜田揚げ)。また加工品としても、塩さばや文化干し、缶詰や糠漬け(へしこ)など、全国各地で地方色豊かに食されています。そんな大衆魚のサバですが、近年では「関さば」をはじめとしたブランド化が進められており、全国各地で様々な「ブランドさば」が誕生しています。このようなブランドさばの一部は、もはや高級魚となっていますが、サバには、まだまだ庶民の味方としても頑張って欲しいものです。
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江戸時代、七夕の宵、すなわち七月六日に御三家(尾張家・紀州家・水戸家)をはじめ、諸大名は、七月七日の祝いとして将軍家にサバ(刺鯖)を献上した。しかし、生魚では始末に困るというので、後に本物のサバではなく、「鯖代」と称して金銀を献上するようになった。これが今日、御中元として進物をする起源になったという。御中元の元をただせば鯖代のことである。
旨い秋サバを憎い嫁に食べさせたくない、という姑の意地悪説と、サバは「サバの生き腐れ」といわれる程鮮度低下が早く、中毒を起こしやすいことから、可愛い嫁の身を案ずる姑の親心説がある〈千葉地方の言葉〉。また、サバをカマス・茄子に置き換えていうこともある。
サバの食い上げの時は、竿先がフワーと軽くなり、引き込みで重くなる。この食い上げの魚信(アタリ)を、神奈川県葉山地方の船頭言葉で「空引き」といい、遊漁者にそのコツを教えている。ここで合わせるとサバは様子がおかしいとでも思うのか、口を開けて餌を放してしまう。一呼吸をおき、次の引き込みで合わせると外すことがない。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
微小生物の取水取り込み影響(2)-植物プランクトンの活性度と要因別影響度- |
海生研では、微小生物の取水取り込み影響を調べるため、発電所の運転条件の異なる時に、プランクトンを採集し活性度を比較しました。下図のとおり、植物プランクトンでは、塩素が注入された条件時(C及びD条件時)に放水口で、活性度の低下がみられました。
また、ハンドリングを含む自然死亡、機械的影響、化学的影響及び昇温影響の4つの要因ごとに影響度を解析した結果、植物プランクトンでは、化学的影響が24~36%と最も高く、次いで自然死亡が9~12%でした。
次回は、動物プランクトンの結果についてご紹介します。
(事務局 研究企画調査グループ 山田 裕)
図 異なる条件下での植物プランクトンの活性度の比較(南方海域の例)
A、Bの条件下では塩素は注入されていない。A、Cの条件下では発電されていない。
B、Dの条件下では発電中である。 |
表 要因別に求めた植物プランクトンへの影響度(%) |
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