|
|
---フグ---
今回は、フグ(河豚、布久。フグ目フグ科トラフグ属およびその近縁種に対する総称)。
英名ではPuffer、またはPuffer fishと呼ばれます。
日本には50種前後が分布します。頭が大きく体は円い。フグ類は胃部に膨張嚢と呼ばれる特殊な袋を持ち、これに水や空気を入れることよって、からだを大きく膨らませることができます。フグ類の多くは美味であることから水産上の重要種になっており、刺身やちり鍋、ひれ酒などにされます。しかし、ほとんどのフグはテトロドトキシンと呼ばれるアルカロイド系の大変強い神経毒を持っています。人命にかかわる強力な毒物なだけに、調理は専門家に任せなければいけません。
主な漁法は、フグ延縄や定置網、底曳き網などで漁獲されます。近年は小割生簀で養殖も行われており、1.5~2年の養成で、ほとんど活魚として出荷されています。
|
|
フグは身に危険が迫ると水(空気)を吸い込んで体を大きく見せ、相手を威嚇するが、そのさまは、どう見てもいい格好ではない。若い娘などがきげんを損ねてプウッーとふくれた状態をいう。しかし、魚族はフグに毒のあることを承知していて避けて通り、ふくれなくともフグは食われることはないようで、天敵は人間だけである。
「その味死に値す」。魚の味ではフグの右に出るものはないということ。
「蜜は甘いが蜂が刺す」。利益も欲しいが損失も恐ろしくて手を出しかね、物事が両立しないことの例え。
他人を戒めるばかりで、自分のことは棚に上げていることの例え。井戸をのぞくよりフグを食う方が危険が大きい、という発想から出た言葉。
「現代おさかな事典」エヌ・ティー・エス、
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
CO2が海洋生物におよぼす影響(1) |
クラゲ類は世界中に分布し、海の表層から深海に至るまで広く存在が確認されています。しかしクラゲ類に対するCO2の影響については知られていませんでした。過去に実験を実施したマダイやシロギスの卵や稚魚では、5%のCO2を含むガスで平衡させた海水(通常海水の120倍以上のCO2濃度)の中に入れると、24時間以内に半数以上が死亡することが分かっていましたが、ミズクラゲのエフィラ幼生では96時間経過してもすべての実験個体が生き残っていました。ミズクラゲは温度変化や低酸素にも強いと言われますが、このようにCO2に対しても、非常に高い耐性を持つ種であることが分かりました。
(事務局 研究企画グループ 吉川貴志)
|
|