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---アンコウ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話しましょう。
今回のテーマはアンコウ(鮟鱇)です。
アンコウの名は、アンゴウというヒキガエルの方言に由来し、英名でもフィッシング・トード(釣りするヒキガエル)といわれ、どことなくヒキガエルに似たところがあります。ウロコのない体は、ブヨブヨと軟らかく、海底にへばりつく無精者で、泳ぎの下手な魚です。
動きが鈍く、英名でアングラーとも呼ばれるように、座りながらにしてエサを釣りあげる妙手をもっています。 |
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力士の下腹部がよく発達して突き出たタイプをいう。語源はアンコウのボテボテした、腹の大きい状態に似ることによる。アンコウが詰まって(短呼)“あんこ”に。本物の鮟鱇型とくれば、竹製の花器の一種で力士とは無関係。
単に“あんこ”といえば、東北地方・北陸地方で兄・長兄を指し、伊豆大島では娘・婦人のこと。同じ方言なのに地方によって性別が違うというのは珍しいが、伊豆大島の“あんこ”は姉子(アネゴ)の変化だから女性となる。北海道の一部でいう「姉っ子」は、イワナの仲間のオショロコマのことで、アマゴのような小さい朱点があることから女性と見立てたもの。
もう一度相撲に戻って、四十八手の中で釣り・魚に関係あるものに、「網打ち」がある。これは「投網」を打つさまに似ていることに由来するが、「鯖折り」にはどんないわれがあるのだろう。
アンコウは、他の魚が口の側に来るのを待っていてパクリとやる。その食性から出た言葉で、少しも動かずに怠けていて、ご馳走にだけあり付くことの例え。
「鮟鱇面」は、頭と口が大きいアンコウのような醜い顔をいう。また全体も醜い容姿のこと。その醜い顔を、酒に酔って赤くしているさまをあざける言葉。
形ばかり。口では強そうなことをいうが、内心は臆病で、卑怯な武士のこと。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
水温と海藻類の成長<4> |
海生研では、海藻類に関する野外や室内における様々な試験研究を行っています。
海藻類の多くは浅海域の海底や物体に固着して成長するため、環境変化の影響を受けやすい生物の一つと考えられます。
図は養殖ノリ(ナラワスサビノリ)を屋外水槽で栽培した試験の一部で、試験開始時の0日目と終了時の9日目の藻体写真です。ノリ藻体の生育には、水温とともに水流が重要な役割を果たしていることが分かりました。
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