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---カツオ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話ししましょう。
今回のテーマは鰹(カツオ=スズキ目サバ科スマ属 カツオ、スマ)です。一般にカツオという場合は、地方名でのマガツオやホンガツオを言いますが、日本ではこのほかにソウダガツオ、スマ(ヤイト)、ハガツオを含める時もあります。
カツオの名称は鮮度が急激に悪くなるので乾燥して食べたり、火を通して調理すると肉質が硬くなるところから、堅魚(カタウオ)と呼ばれたのがなまったという説があります。 |
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カツオが縁起物とする習わしは、戦国時代にさかのぼります。天文6年の夏、相模の国の北条氏綱(ほうじょううじつな)が、小田原沖で釣り見物をしていると舟に一尾のカツオが跳び込んできた。これを見て、「戦に勝つ魚」が舞い込んできたと大いに喜んだという。
それ以降、出陣の折には必ず「勝男武士(かつおぶし)」を引き出物としたと言われています。
江戸から比較的近い小田原沖や鎌倉沖に漁場が形成されたため、鮮度良好なカツオを江戸に持ち込むことが可能でした。特に、初物を食べると寿命が75日延びると信じられていました。釣り帰りの漁船を三浦三崎で待ち受け、速船で江戸まで運んだと言われています。
普通にみられる鰹は3~5キログラム。軽いようだが、このくらいの重さのものを一気に釣り上げるのは至難の業。鰹の一本釣りは一気に抜き上げるが、頭が釣り人の方に向いていればこその話で、釣り手がまごまごしていて鰹に“あっち向いてほい”とでもやられたら、プロの漁師でもどうにもならず、三段目クラスの相撲取りの力をもってしてもお手上げという。
サバ同様、「鰹の生き腐れ」といわれるカツオは、「初松魚(ハツガツオ)飛ぶや江戸日本橋」と鮮度が身上、急いで売りさばかれたが、冷蔵庫がなく氷も不十分な江戸時代、やや古くなったカツオの刺身で中毒した例も多かったという。しかし、その症状は軽く、頭痛や顔が赤くなる程度。そこで「鰹に酔う」。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
魚の好む水温-その4- |
海生研でイシダイを用いて実験したところ、成長段階により好む水温(選好温度)が異なることがわかりました。
2~8カ月齢の間では選好温度が成長に伴って低下する傾向が認められたのに対し、8~14カ月齢の間では選好温度が25~26℃の範囲にあってほぼ一定していることがわかりました。
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