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---フグ---
日本と中国では昔からフグを食べる習慣があるので、中毒事件などにより、フグに毒があることを経験的に知っていました。フグ毒はフグの体内に一様にあるのではなく、卵巣と肝臓に集中しています。フグ毒による人の中毒症状は、食後20分ないし3時間で現れ、まずくちびる、舌の端、ついで指先にしびれが起こり、続いて頭痛、腹痛などを伴うことがあります。その後、嘔吐、運動不能、呼吸困難、血圧の低下と続き、ひどい場合は呼吸停止後、心臓が止まり死に至ります。このようにフグ毒は麻痺性の毒で、それにより神経細胞の活動停止と骨格筋の麻痺が起こり、致命的な結果を招くことになります。 |
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真河豚(虎河豚)には猛毒のテトロドトキシンが含まれ、フグ一尾で人間三十三人がコロリと逝く。青酸カリ以上で、煮ても焼いても消えず、水で洗い流すことが一番。
だが一石といえばドラム缶一本以上(約270リットル)。こんなに水を使ったら毒が流れると同時に味も流れてしまうと通は嘆く。「河豚一尾に水三斗」とも言うが、この「水三斗」はフグに中(あた)ったときの毒消しに飲む水の量、ともある。
(八丈地方の言葉) 「八丈の河豚」とは、ハリセンボン科の「石垣河豚」のことで、無毒美味。食べても中らない。天気予報は、かなりの確率で当たるようになったが、局地の予報は外れることも多い。少し皮肉った言い方とも受け取れるが、フグが中(あた)らない、安心して食べられることを強調したものであろう。
「河豚食わぬ人には言わじ河豚の味」という程に河豚は旨いという。しかも毒があるから、そのスリルが味にプラスされて余計に旨いと感じる?
河豚通の心意気を詠んだもの。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
参考文献 海のはなし編集グループ編「海のはなし(Ⅱ)」技報堂出版
魚の遊泳能力と温度 |
海生研では遊泳能力測定装置を用いて何種もの魚(体長11.9~18.4cm)について水温と遊泳能力の関係を調べました。
下の図は3種類の魚の最大持続遊泳速度(60分間完泳できる最大流速)で、水温が変わるにつれて、遊泳速度が変わることを示しています。
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