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---マアジ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話ししましょう。
今回は、過去にVol.12でも取り上げたマアジ(スズキ目、アジ科、マアジ属。地方名:アヅ(東北)、ホンアジ、
ヒラアジ(近畿)、ガツン(沖縄)、 英名:Japanese horse mackerel、 Japanese jack mackerel )をご紹介します。
読んで字のごとく味が良いから「アジ」と言われますが、特に3月頃から味が良くなることから、魚偏に参という字が充てられました。わが国では古くから親しまれ、干物やくさやなど食べ方や保存に工夫がされて来ました。釣りの対象魚としても人気が高く、型の大きいものは、水深の深いところに生息しているため、船釣りが主流となっています。
日本沿岸各地に分布し、全長40cm程度のものは水深200m以浅の中・下層に生息します。マアジは若魚・成魚では魚食性が強いが、小型の節足動物やイカ類も食べます。
主な漁法としては、全国的に巻網、アグリ網、大小型定置網などによって漁獲されています。大きな群れをつくって移動する魚種なので、文字どおり一網打尽的な漁法により大量に漁獲されています。ほぼ全国的に周年にわたり漁獲され、主に4~9月頃の21℃前後の水温帯での漁獲が多いそうです。活魚、生鮮物、開き加工等で出荷され、小売店では塩焼き用や刺身用として、また各種惣菜に加工されて食卓に手軽に上るようになっています。
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アジ釣りにはコマセ(寄せ餌)を使う。コマセを撒きながら少しずつ棚(水深)を上げて、アジを上層に集めて釣るのが数釣りのコツ。10mの底と3mの上層を釣る場合、後者の時間は約1/3ということになり能率的である。しかし、漁師という商売でもないのに、能率や数にこだわることもあるまい。釣は心の遊びである。
魚河岸から出た言葉で、アジ、サバ、イワシのこと。安くて旨く、しかも栄養が有り、「大衆魚の三羽烏」。だが、漁獲量で値が変動し、アジ、サバは時々高級魚の仲間入りすることがある。
囲碁の言葉に「剰して打つ」の言葉があるという。相手がおとなしく受けるからといって、とことんまで打ち切るな、余裕を残しておけという意。釣りの世界にも転用される。明日も来る年も釣れるように種を残して・・・。
魚が沢山漁れた翌日は、漁が少ないことをいう。転じて、良い日の次の日は、また今日も、と期待するものだが、「チャンスのあとにはピンチあり」。そう良い日ばかりが続くとは限らない。
「現代おさかな事典」エヌ・ティー・エス、二階堂清風編著、「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載
お魚、何、食べてますか?(1) |
海生研では、魚介類に蓄積しているダイオキシン類の実態調査を継続的に行っています。同時に、得られた知見の普及・啓発も併せて行っています。HPに普及啓発資料を掲載したり、情報誌に記事を掲載してより多くの方々に知っていただく取組を行っています。
そのなかで、日本人がどんな種類の魚介類を食べているか、統計資料(総務省)を整理して地方別にグラフ化してみました。下図をご覧ください。これを見ますと、どの地域でも意外と同じような種類の魚介類を食べているのが分かります。しかし、詳しくみると、地域で多く獲れる魚介類をより多く食べている様子が窺えます。地産・地消の傾向があります。
(事務局研究調査グループ 柴崎道廣)
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