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---カレイ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話しましょう。
今回のテーマは鰈(カレイ=カレイ目=カレイ科)です。
英語ではFlatfishまたはFlounderと呼ばれる。一口にカレイと言っても世界に100種前後生息しており、日本近海には約40種のカレイが分布しています。Flatfishと言う名前の通り、カレイ類の体は楕円形で著しく側偏しており、一般に「左ヒラメに右カレイ」と言われ大部分のカレイは体の右側に両眼があります。カレイ類は普通海底の砂の中に潜っているので、主な漁法は底曳き網や刺し網で漁獲され、また遊漁対象として釣りで漁獲されています。
主な利用方法としては、白身魚であり刺身や塩焼き、煮付け、唐揚げ、フライと幅広く親しまれています。
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「鰈は無精者の釣り」といわれて、早合わせでは釣れない。かといって放っておいたのでは餌が動かずカレイの食い気が悪く、釣れてもハリを飲み込まれて能率が悪い。そこで、時々糸を引いたり張ったりしてカレイの食欲を誘い魚信(アタリ)を確かめる。これを「聴く」という。
11月、すなわち、冬の真子鰈のこと。東京湾では11月から翌春まで釣れ盛り、産卵のため浅場に寄って来るので「登りマコ」ともいう。大分県別府湾では、真子鰈のことを「城下鰈(シロシタカレイ)」と呼ぶ。日出(ひじ)の町の城跡の海に淡水の湧く所があり、ここに集まって来る真子鰈を特に美味とし、「城下鰈」と名付けて賞味する。
夏は暑いので座敷よりも、縁側の方が風通しがよく涼しくて上座に当たる。カレイの場合も、一般には真ん中の身(肉)を上等とするが、端にある縁側に当たるヒレの部分の方が味がよい、ということ。冷房設備や扇風機もなく、団扇が幅を利かせていた頃の諺であろう。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
魚の繁殖生態(2) |
マダイの繁殖行動をビデオカメラで調査しました。繁殖期になると、雌は桜色のままですが雄の体色は黒色化します。産卵時刻である夕方にかけて、黒色化は一段と強くなります。黒色の濃い個体が水槽内を上下左右活発に遊泳する様は、他の雄を威圧するとともに、自身が強い雄であることを雌にアピールしているようにも見えます。産卵行動は、雌1尾の放卵に対し複数の雄が一斉に放精するというものでした。ここで紹介した内容の映像は、海生研ホームページでご覧になることができます。
繁殖期のマダイ(上が雌、下が雄)
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