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---シジミ---
今回は、シジミ(二枚貝綱異歯亜綱シジミ科に分類される二枚貝の総称。和名:蜆、英名:freshwater clam)をご紹介します。
名前の由来は、貝殻の表面に横じわが多数あり縮んで見えることから、あるいは、煮ると身が縮むことから、「チジミ」が「シジミ」に転訛したとも言われます。
また一説には、たくさん集まって生息していることから、「繁群れている貝」に由来するなど、諸説があります。
日本に分布するシジミには、マシジミ(純淡水性)、ヤマトシジミ(汽水域性)、セタシジミ(淡水・汽水域性)の3種類があり、旬の季節は「寒蜆」(冬)、「土用蜆」(夏)などと呼ばれますが、季語は、最も美味とされているセタシジミの旬である春とされています。しかし、もとより何時の季節でも美味しいためか、「四時美」の字が当てられることもあります。
江戸時代、「シジミ売り」は下町の庶民の風物詩であり、「貧乏暇なし蜆売り」というカルタ札も作られました。シジミは一般的には殻付きのまま売られ、味噌汁の具や、佃煮・時雨煮として食されることが多いものですが、各種の栄養面でも非常に優れており、また、オルニチンなど薬効も高く、文字どおり昔も今も庶民の健康、特に肝臓には正義の味方です。
昨今では、この貝類が生息する水域環境の「浄化のバロメーター」としての役割も見出せます。
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到底できないことや、自分の力に余るような大仕事に立ち向かうことの例え。また、ない力を無理に振り絞って試みることの例えにもいう。
自分の家の中では恐れるもの何一つない勢いで振る舞いながら、一旦外へ出るとからきし意気地がなくなる者をあざ笑っていう言葉。「内弁慶の外地蔵」ということ。
小さい物で大きな物を量る。到底できないことや、いくら努力しても無駄なことの例え。また、浅はかな知恵で大人物を評することにもいう。
夏の土用の頃のシジミは卵を抱いて身が太り美味となる。シジミは脂肪が少なくグリコーゲンが多いので、肝臓(黄疸)に良いとされている。二日酔いにも有効であるらしい。
金田禎之著「四季のさかな話題事典」東京堂出版、
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
CO2が海洋生物に及ぼす影響(3) |
海の中で二酸化炭素(CO2)が増えると生物にはどのようなことが起きるのでしょうか。魚類の成長に着目して実験をしてみました。海水のCO2濃度を実験的に増加させた状態で、シロギスを5ヶ月間飼育してみました。通常の海水で飼育する水槽と、大気中CO2の約10倍濃度である0.4%のCO2を含む空気を海水に供給した水槽の2つを用意して、シロギスの大きさを毎月測定しました。はじめの3ヶ月は特に変化は見られませんでしたが、その後は2つの飼育群の間でシロギスの全長と体重に差が見られました。
1日や2日の実験ではわからない影響も、このように数カ月間という長期にわたって調べることにより判明することがあります。
(事務局 研究企画グループ 吉川貴志)
高CO2飼育によるシロギスの成長
(吉川(2004)より改変)
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