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---ドジョウ---
海や水辺の生物にまつわる諺や格言についてお話ししましょう。
今回は、ドジョウ(泥鰌、英名:Loach、Weather-fish)です。コイ目ドジョウ科に属する淡水魚の総称で、日本をはじめアジア東部の水田や水路等に生息する雑食性の魚です。薄い口髭(いわゆる泥鰌髭)を生やし、ヌルヌルして細長く、愛嬌のある姿かたちのためか、民謡「安来節」や「どじょう掬い」の踊り、童謡などにも登場しています。
冬は泥の中で冬眠し痩せていますが、夏場に旬を迎えるドジョウは、俗に「鰻一匹、泥鰌一匹」と言われるように、昔から栄養豊富で薬効のあることが知られ、庶民が食用にして来ました。
老舗料理屋の多くの暖簾に「どぜう」と書かれているのは、浅草で泥鰌料理のめし屋を始めた店が、当初は四文字の「どぢゃう」の表記でしたが、江戸の大火で店が類焼した際に縁起を担ぎ、三文字の「どぜう」を用いたことに由来します。
主な食べ方に、どぜう鍋、柳川鍋、唐揚げ、蒲焼、どじょう汁などがあります。
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鷺が水田などで餌のドジョウを求める姿に例えて、抜き足差し足で行くさまにいう。「泥鰌踏む足付き」ともいう。清流や渓流の釣りもこのくらいの心構えが欲しい。
「何時も柳の下に泥鰌はおらぬ。」川べりの柳の木の下で一度ドジョウを漁ったからといって、「二匹目の泥鰌」を狙っても、そうは問屋が卸さない。偶然であった幸運を、再度同じ方法で得られると思うのは甘い考えであるということ。
自分の力の弱いことを考えないで、強い者に反抗することの例え。どう足掻いてもどうにもならないこと。
長野地方の諺。話が逆で、晴天が続いたから溶存酸素が欠乏し、呼吸が苦しくなり、腸呼吸のために浮き上がって来るのではないだろうか。
二階堂清風編著、「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載
植食性動物と海藻類の種間関係(2)―アイゴとガンガゼが食べる海藻の量と水温の関係― |
14~29℃において、体重100gのアイゴとガンガゼが食べる海藻の量を調べました。用いた海藻は藻場をつくる大型の海藻アラメと3種のホンダワラ類(オオバモク、マメタワラ、ヤツマタモク)です。アイゴとガンガゼが食べる量は、いずれの海藻においても水温が高くなるほど大きくなり29℃で最大値を示しました。最大値が最も大きかった海藻はアラメで、1日に食べる量はアイゴでは約40g、ガンガゼでは約4gでした。魚が海藻を食べることはもとより、その魚が1日に体重の4割に相当する大量の海藻を食べることに驚かされました。水槽底から直立するマメタワラは、複数のガンガゼの棘で囲まれて暫くすると横倒しになりました。ガンガゼの長い棘は海藻を引っかけるのにも役立っているのでしょうか?
(中央研究所海洋環境グループ 磯野良介)
A:アラメを食べるアイゴの腹部が大きく膨らむ(矢印)、
B:直立するマメタワラ(円内)とガンガゼ、
C:ガンガゼの下敷きになったマメタワラ(矢印)。
アイゴがアラメを食べる様子は、こちらでご覧いただけます。
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