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---サメ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話しましょう。
今回のテーマはサメ(軟骨魚類サメ類)です。映画「ジョーズ」に出てくる人食い鮫を思い浮かべる方もおられるかと思いますが、筋肉を刺身、湯引き、ステーキとして食べたり、蒲鉾原料としても優れています。また、鰭はフカヒレに、ビタミンAが豊富な肝臓は肝油や健康食品に、皮はわさび下ろし、財布などの革製品に利用されます。
サメの呼び名は地方によって異なり、「サメ」と呼ぶのは関東以北の地方が多く、関西では「フカ」、山陰地方、特に出雲地方では「ワニ」と呼びます。昔話「因幡の白兎」に出てくる「ワニ」は、爬虫類の鰐ではなく、サメのことを表現しています。
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死ぬと尿素の分解で生成されるアンモニアにより腐敗が抑制される鮫は、冷蔵装置無しに2週間程度鮮度を保つことができるため、冷蔵装置が普及していない時代における山間地の住民にとって、鮫はとても重宝な魚であり、正月料理には欠かせなかった。
東北地方ではサガンボと称して煮魚として賞味する。「鮫の煮こごり」は、ゼラチン質でコラーゲンが豊富である。
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腹一杯食べた後で、不味いと文句をいうことである。サメには独特のアンモニア臭があるところから、サメが引用されたものと思われる。
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新潟地方の言葉。凡人の子はやはり凡人であるということ、才能や性格など何事も子は親に似るものであり、子は親の歩んだ道を行くものであるということのたとえ。自分や自分の身内についての謙遜した表現だから、他人に対しては用いない。「親に似た蛙の子」と同義語、「親に似た螺の子」(豊前宇佐地方の俚言)とか「親に似ぬ子は鬼子」ともいうから、現実には「鳶が鷹を生む」ことはないのであろう。

鼾をかいてよく寝ることのさま。「鱶のよう」、「鯨のよう」ともいう。当人はいい気持ちかも知れないが、はた迷惑なこと。
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「鱶ほど寝る」ということから、よく寝てよく食べることをいう。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
魚の繁殖生態(6) |
スズキの繁殖行動をビデオカメラで観察しました。産卵は毎日ではなく、期間をあけて1カ月間に数回行われました。産卵日が近くなると、雌のお腹は急激に大きくなりました。産卵時刻は多くの場合16から18時の間で、それまで1尾の雌を1~3尾の雄が追尾していました。産卵行動は、雌が旋回遊泳しながら水槽上層で先に放卵し、次いで追尾している雄が放精するというものでした。放卵を終えた直後の雌の腹部が、大きくへこんでいる様子が確認されました。ここで紹介した内容の映像は、海生研ホームページでご覧になることができます。
A:雄が雌の生殖孔を眺めるように追尾する様子、B:放卵前の雌の様子、C:放卵終了直後の雌の様子(矢印の先、腹部が大きくへこんでいます) |
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