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---カニ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話しましょう。
今回のテーマはカニです。
カニは、沢、磯、深海と広く分布し、ケガニ、ズワイガニ、ガザミなどのように美味で食用となる種もあり、諺や格言にも引用される身近な生き物です。
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ガニとはカニのエラの部分。トリの肺臓をドリというのと同じ。カニは旨いからといっても、エラのところは不潔。食べて食べられないことはないが、旨くはないし、普通は食べないことを例とする。カニも程々に食えの教え。
「蟹の甲は魔除けになる」として、門戸に掛ける風習があった。カニの甲羅には、その種類により色々な厳めしい彫刻紋があることからであろうか。
「カニ」は一度挟んだら死んでも螯を開かない。転じて、執念深い・欲が深い例え。
食事には、それぞれのテーブルマナーがあるが、蟹は上品ぶって食べても旨くない。親譲りの五本箸が最高のフォーク。そして、様々な食べ方があるが、果物と一緒で手も味も加えず、そのままの味が最高。そして食べるときは「蟹現象」(カニを食べるときは、脚などを折ったり割ったり、肉をほじくるなどして食べることに追われ、会話がなくなって静まり返った状態をいう)で、ただ黙々とひたすらに食べる。
普段は低地の砂地などにいるカニが、高い所や家の中に這い上がって来るのは大雨になって低地が水浸しになる前兆という。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
魚の受精卵の温度耐性(3) |
海生研では,魚類の様々な発育段階について生物影響試験を行っています。今回は,スズキ受精卵の温度耐性を調べた結果を紹介します。スズキは12~1月ごろにかけてたくさんの卵を産みます。それらの卵は孵化するまで海水中に浮遊しています。
図は,受精後約4時間経過した頃から孵化直前までのスズキ受精卵の発生段階毎の温度耐性を示しています。このときの産卵水温は15℃です。横軸は受精後の経過時間,縦軸は15分間高温に接触した時に半数が死亡する温度です。受精直後が最も高温に弱く,ついで受精後40時間から70時間頃の卵内で魚の形ができあがっていく過程の発生段階が高温に弱いことがわかりました。
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