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---タコ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話しましょう。
今回のテーマは蛸(タコ)です。国によってはデビル・フィッシュとして嫌われているタコも、私たちにとっては昔から愛され、食材としてもポピュラーな物の一つですね。
英語ではオクトパス(Octopus)と言いますが、オクト(またはオクタ)は「8」を表す言葉です。オクタゴンは八角形、オクターブは八音階を表す音楽用語。タコは足が8本・・・なのでオクトパス。
ずいぶん単純な名前をつけられたものだと思いませんか。
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「アカエイの吸い物蛸の足」。タコは麦藁蛸の初夏から夏の土用にかけて特に美味しい。アカエイも夏が旬。旨い物は一人占めにして、誰にも食わすな、の島国根性。
しかし、「冬至海鼠」同様にタコの本当の旬は冬とも言う。
地方により、種類によって旬が異なるのであろうか。鈍感な舌では判定のしようがないが、江戸前の土用のタコは、これぞタコの味、と思わせる旨さである。
タコ、イカが孵化するのは春。「蛸の真水嫌い」で、彼等の大敵は雨。
梅雨に雨が多い年は、海水の塩分濃度が薄れ、稚蛸、稚烏賊が死んでしまって不漁となることが多い。一般的には「梅雨時に雨が多ければ好漁」「水害のある年は鰯の豊漁」で豊漁に恵まれることが多いが、タコ・イカは例外。
「あぶら石」とは、潮の流れが速い為に、石の表面が洗われてツルツルしている綺麗な石のこと。その周囲にはゴミも溜まらない。
一方、蛸の食い意地は凄まじいが、至って綺麗好き。食べかすは外に出し、自分の棲家を汚さないようにしている。要するに、潮流によって掃除されるような所に棲んでいるから、「あぶら石」のある近くには蛸がいる。漁師の経験から生まれた、主として北海道地方の言葉。
〈下北半島地方の諺〉。アシカはタコ、イカが大好物。
海獣・海鳥と魚類は深い因果関係にあり、漁師や釣り人は魚群発見の目安にする。
「海驢の番」と来れば、不寝番のこと。アシカが群居して眠るとき、必ず一頭は起きていて周囲を警戒する習慣がある。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
魚の好む水温-その2- |
海生研で主な沿岸性魚類を用いて飼育実験したところ、種類によって好む水温(最終選好温度)が異なることがわかりました。
冷水域に生息するマダラやサケ、ニシンは8~15℃付近、また温水域に生息するカサゴ、マイワシなどでは20℃前後、マダイやマアジなどでは24~25℃付近でした。スズキ、クロダイでは28~30℃付近の高い温度を好むことがわかりました。
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