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---タイ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話しましょう。
今回のテーマは、タイ(鯛)です。我が国は多種多様な水産物に恵まれておりますが、中でもタイは姿・色が美しく味も良いので、海魚の王として親しまれています。
特に春の産卵期前には、「桜鯛」として賞味されております。
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「千切れても錦、腐っても鯛」。タイは色・形・味の三拍子揃った、日本の魚類の王。だから多少腐ってもタイはタイで、矢張り価値がある。転じて、本来優れた価値を持っているものは、例え悪条件や逆境に立たされても、その本質は失わないことの例え。
どんなご馳走でもポツネンと食べたのでは旨くない。料理は大勢で雰囲気を楽しみながら味わうもの。また「料理は器が食わせる」ともいう。ご馳走を食べる場合は、それ相当の舞台装置が必要ということ。
タイの頭部にある三つの骨の異称。それぞれが三つの農具、すなわち、鍬・鋤・鎌の形に似ているので、この名がある。「鯛を食べるとき、鋤鎌が入っていた人は良いことがある」ともいう。タイを取り分けて食べるとき「鯛の三つ道具」が入っていた人には吉事がある、という俗説。
鶏が宵鳴きするようなら天気が静穏で潮の具合もよく、タイが豊漁で釣り人や漁師にとって喜ばしいこと。しかしタイにしてみればとんだ災難ということになり、一方がよければ他方が悪いということ。
タイでもヒラメでも、実際にそれを食べた者だけがその味を知る。幾ら話を聞き書物を読んだところで、実際に経験してみないことには、知ったことにはならない、という例え。「絵に描いた餅」では食べようがない。「百聞は一見に如かず」ということ。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
貝類の温度耐性<1> |
海生研では、貝類について様々な試験研究を行っています。砂浜に生息するアサリやハマグリなどの二枚貝は、環境変化を受けやすい生物の一つと考えられます。
図は、ハマグリの卵と稚貝の温度耐性を調べた結果です。横軸は高温に触れている時間、縦軸は半数が死亡する温度です。死亡する温度は高温に触れている時間が長いほど低下すること、受精後まもない卵の時期が高温に弱いことがわかりました。
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