|
|
---サンマ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話しましょう。
今回のテーマはサンマ(秋刀魚)です。
【分類】ダツ目サンマ科、(体長)40cm
【分布】日本から北米にかけての太平洋に広く分布する
【特徴】春季水温の上昇とともに北上・索餌回遊を行い、夏季には道東から千島列島沿岸の親潮域・オホーツク海に達し、成熟の進展にともなって南下。寿命は1.2~1.5歳
秋の大衆魚といえばサンマ。しかし、サンマが庶民の味として広まったのは江戸の後期と新しく、本格的に定着したのは明治近くであるらしい。それまでは、下魚として扱われ、食べることよりも脂を取るために利用されていたという。
目が澄み、体が銀色に輝きながら反り返っているもの、口の先が黄色くなったものが脂が乗り、新鮮なサンマの証。
|
|
「秋刀魚は秋の使者」ともいい、栄養価が高く食欲の秋にこれを食べると体力が整い、按摩にかかる必要がなくなる。(江戸時代の諺、「秋刀魚は按摩泣かせ」ともいう。)
場違いのものを誉めることにいう。三代将軍徳川家光公が鷹狩に行き、その日は獲物が多く日暮近くまでかかった。空腹に耐え兼ねて近くの目黒の茶屋に突然立ち寄り、店の主人があわてて出した焼いた秋刀魚の味が忘れられず、後日お城で所望したが目黒の味には遠く及ばず、さんまは目黒に限ると嘆息して言ったという。この話しは落語の「目黒のさんま」ほか諸説がある。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
貝類の温度耐性<3> |
海生研では、貝類について様々な試験研究を行っています。
岩礁域に生息するアワビは、卵からふ化したばかりの幼生の時期には海水中を浮遊する生活を送ることから、いろいろな環境変化にさらされる可能性があります。
図は、クロアワビの卵と浮遊幼生の温度耐性を調べた結果です。横軸は高温に触れている時間、縦軸は半数が死亡する温度です。死亡する温度は、高温に触れている時間が長いほど低下すること、受精後まもない卵の時期が高温に弱いことがわかりました。
|
|