|
|
---スズキ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話しましょう。
今回のテーマは鱸(スズキ:スズキ目・スズキ科)です。スズキは日本の沿岸各地から南シナ海に分布しています。近縁種にヒラスズキがいて、よく似ていますが、ヒラスズキはスズキより体高が高く、背びれの軟条数が15~16とスズキより多いことで区別ができます。出世魚のスズキは成長と共に呼び名が変わり、セイゴ、フッコ、スズキとなり、さらに大型になると大多郎(オオタロウ)やトドと呼ぶ地方もあります。また、お腹に卵を持っているものをハラブトスズキと呼ぶこともあります。
スズキは上品な味の白身魚で、マダイやヒラメに代わる夏の高級魚であり、調理方法も刺身、洗い、焼き物、蒸し物、煮物と幅広く、親しまれてきました。 |
|
宍道湖畔(島根県)に伝わる言葉。十月の雷のことをいい、湖中のスズキは、この雷音を嫌って、海に逃げる(落ちる)という。しかし、空中の音は水中の魚に聞こえない。多分この場合は、雷に伴う稲光の影響であろう。一方その頃は、寒さを避けて魚が深場に落ちていく季節でもある。
ハリに掛かったスズキは、その大きくて鋭い鰓蓋をふくらませて右往左往し、ジャンプしながら懸命にハリを外そうとする。まさにスズキの曲芸。この時、糸を緩めるとハリが外れ、無理をすると糸が切られる。釣り人とスズキの虚々実々の駆け引き。そうこうして釣り上げたスズキは「洗い」で食べるのが最高の味。「洗い」に縁のある魚である。
スズキの名は、「すすきたるよう」、つまり、すすぎ洗いをしたように身が白いことに由来したもの。どっちみち、「洗い」に適した魚。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
魚の繁殖生態(3) |
ヒラメの繁殖行動をビデオカメラで観察しました。1日のほとんどを砂中に潜むヒラメは、産卵時刻が近くなると先に雄が砂上に姿を現します。雌は産卵時刻間近まで砂から現れず、出るまで雄は雌の直ぐそばで頃合いを待ち、時に雌に体をぶつけて産卵を催促するような行動をとります。雌が泳ぎ出すと複数の雄は、雌の直下の位置を争うように追尾します。水面近くで先に雄が放精し、その直後に雌が放卵します。ここで紹介した内容の映像は、海生研ホームページでご覧になることができます。
産卵のため浮上したヒラメ雌を雄3尾が追尾開始
|
|