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---ヒラメ---
海とその生物にまつわる諺や格言についてお話しましょう。
今回のテーマは鮃(ヒラメ=カレイ目ヒラメ科ヒラメ属)です。
英語では Bastard halibut または Olive flounder と呼ばれる。体は楕円形で著しく側偏し両眼とも左体側部にあり、体長は70cmに達する。北海道から九州に至る各地の沿岸域の水深200m以浅の岩礁域周辺の砂泥底に生息する。
ヒラメ、カレイ類は周囲の環境に合わせて体色を変化させることができる。このメカニズムは、まず視覚によって周辺の海底の色調を認識することに始まり、そののち、体表の色素細胞を周辺の色調に同調させるのである。主な漁法は、刺し網、底曳き網、定置網などで漁獲される。高級魚で成長も早いため、各地で養殖や種苗生産、放流が盛んに行われており、8,000t前後の生産量がある。すべて生鮮向けに氷冷・生鮮出荷される。特に活魚としての人気が高く料理店などでは生簀や水槽から直接とりあげて姿造りや薄造りの刺身に調理されている。鰭の付け根の肉「縁側」は取れる量も少ないので鮨種としても高級品である。 |
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カレイやヒラメの類は背・腹鰭の付け根部分(担鰭骨=タンキコツ)に、脂肪・ゼラチン質が蓄積していて一番旨い。魚体の端に当たるので「縁側」と呼ばれている。
ヒラメやコチ釣りでは生き餌(主にイワシ)を使うので、食い込みに時間が掛かる。そこで最初の魚信(アタリ)から暫く待って、十分飲み込んだ頃合いを読んで合わせる。早合わせをすると餌がすっぽ抜けしてしまう。そのコツを説いた言葉だが、実際には「鮃十五鯒五」くらいの間合いでいい。「鮃はタバコを一服つけてから」とも言う。
ヒラメの釣期は一般に10月から翌年の1月までである。1日のうちでは日の出前後から数時間が勝負。陽が高くなったら余り釣れない。従って、寒がり屋で朝無精者には不向きな魚と言えよう。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
魚の繁殖生態(5) |
シラコダイの繁殖行動を産卵期の7月にビデオカメラで観察しました。産卵は16~20時に行われ、その多くは17~18時半に集中していました。産卵行動は、腹部の大きな雌1尾を複数の雄が追尾している最中に、雌が猛スピードで泳ぎはじめ、その直後に放卵と放精がほぼ同時に行われるというものでした。産卵後、シラコダイが何かを盛んについばむような行動が観察されました。よく見ますと、産み落とされた卵を食べていることが分かりました。ここで紹介した内容の映像は、海生研ホームページでご覧になることができます。
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