|
|
---シロサケ---
サケ、アキアジ等と呼ばれるシロサケは河川に遡るため捕獲しやすく重要な蛋白資源であり、マスと共に古来なじみ深い魚でありました。明治以後の乱獲や産業開発による河川の荒廃で親魚が上流の産卵水域へ到達出来ないため急速に減少しましたが、百年にわたる増殖技術開発が成功して、現在では毎年約20億尾放流した稚魚が6~8千万尾の親魚となって回帰し、重要な国民食糧となっています。 |
|
「西海に鮭なく東海に真魚鰹(マナガツオ)なし」。サケは寒流系の魚、マナガツオは暖流系の魚。サケが産卵のため遡る川の太平洋側の南限は、一応、利根川(銚子)とされてきた。サケ・マスの回帰性(成熟してから産卵のため生まれた川に帰ってくる習性=母川回帰)は古くから知られ、この習性を利用して人工採卵孵化放流事業が進み、日本では明治初期以来行われてきた。
蛙が、わが子の成長過程を見守りながら、親の欲目で、やがてどんな立派な鮭になるか、それとも、尊い鱒になるか、と楽しみにしている。だが、日を追って尾は退化し、ヒレならぬ手足が出て来て親の姿と同じ蛙になってしまう。転じて、子の成長(将来)に過大な期待を抱くことの例え<青森五戸語彙>
鮭缶や荒巻鮭のポスターに、サケがオーロラや氷山をバックに跳躍している雄大なものがある。その絵のように、川に遡上したサケは種族の繁栄を希求し、その本能が推進力となって、前途を拒むあらゆる障害に立ち向かい、浅瀬は体を寝かせて平を打ち、中州や砂州は飛ぶように走り抜け、急流はものともせず、少々の瀧や堰はジャンプして越える。それは涙ぐましいまでの光景で、「鯉の瀧登り」など足下にも及ばない。
サケ・マスは寒流系の魚。従って、田畑に冷害をもたらすような涼しい年は豊漁となるが、涼し過ぎて秋大根さえ不作になるという<新潟地方の言葉>。
二階堂清風編著「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版より転載。
魚の遊泳能力と温度 |
海生研で遊泳能力測定装置を用いて何種もの魚(体長7.8~16.9 cmの幼魚)について水温を変えた時の最大持続遊泳速度(60分間完泳出来る最大流速)を測定しました。下の図は20℃の時それぞれの魚が毎秒体長の何倍泳げるかを示しています。
|
|