■水産物の採取と放射性物質の測定
水産物は、東日本各地の漁業協同組合、魚市場、国や県の研究機関などで採取、収集され、海生研に送付されます。海生研では、水産物の可食部(筋肉、肝臓、卵巣、精巣など)を分け取り、測定用試料を調製します。
放射性物質のうちガンマ線を放出する核種の分析では、原子力規制委員会が取りまとめる放射能測定法シリーズの方法に従って、高純度ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーにより、試料に含まれる放射性核種(ヨウ素-131、セシウム-134、セシウム-137)を測定し、試料1kg(湿重量)当たりの放射能(ベクレル/キログラム)を求めます。さらに、2023(令和5)年8月から海洋放出が開始された多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の安全性を客観的に示すため、2022(令和4)年度からはトリチウムを分析対象核種に加えました。トリチウムの分析は、放射能測定法シリーズに基づく精密分析とともに、1~2日で結果が得られる迅速分析の2つの手法を用いることで、処理水放出による水産物流通への負の影響を抑制しています。
これらの測定結果は、水産物の採取日、場所などの情報を含め、水産庁、関係自治体、漁業関係団体などに少なくとも数日以内に報告しています。海生研のウェブサイトには、漁業関係団体分の結果を掲載しています。
( https://www.kaiseiken.or.jp/radionuclide/index.html 参照)
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東日本各地から送られてきた水産物
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放射性核種の分析
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