■:異なる馴致温度における平衡喪失温度(*1)を低温側と高温側についてそれぞれ範囲で示している。
●:温度選択実験から求めた最終選好温度(*2)
○:平衡喪失温度から推定した最終選好温度(*3)
(*1) 平衡喪失温度
馴致温度から水温を1時間毎に5℃上昇または降下させ、魚体が平衡感覚を失い正常に定位できなくなった時点の温度のこと。
(*2) 最終選好温度
水平あるいは鉛直的温度勾配水槽を用いた温度選択実験から求めた値で、温度馴致に影響されない種固有の温度のこと。
最終選好温度は生物の生理的・生化学的反応(成長や行動における最適温度など)と深い係わりを持っていると考えられる。
最終選好温度より低い温度域に魚がいる場合、現在の温度よりも高い温度域に徐々に移動して最終選好温度に向かっていき、最終選好温度より高い温度域に魚がいる場合はその逆の方向に移動する。こうした行動反応から最終選好温度は、高い温度を好む行動を示すのか,逆に低い温度を好むのかと言う、温度に対する行動の方向を決める内的基準として用いることができる。
(*3) 平衡喪失温度から推定した最終選好温度
多くの実験結果において、最終選好温度と平衡喪失温度(最終選好温度を馴致温度とした時の値)との間に直線的関係が認められたことから、その関係式を用いて推定した最終選好温度のこと。
詳細は土田(2002)、下茂ら(2000)をご参照ください。
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