1.水産エコラベル認証について
水産エコラベル認証は、生態系や資源の持続性に配慮した方法で漁獲・生産された水産物に対して消費者が選択的に購入できるよう商品にラベルを貼付することができる認証スキームのことです。
2005年に国際連合食糧農業機関(FAO:Food and Agriculture Organization of the United Nations)が、漁業の重要性を認識し、資源の持続的利用の促進のための責任ある漁業体制を確立することを目的に、漁業における水産エコラベルの国際的なガイドラインを策定し、水産エコラベル認証の標準的なあり方が示されました。養殖業と内水面漁業のガイドラインは2011年に策定されました。これらの国際的なガイドラインに基づいて、現在、世界には多くの水産エコラベル認証が運用されています。
水産エコラベル認証には、生産段階認証(漁業/養殖別)、流通加工段階(CoC)認証の2種類があります。生産段階認証は持続可能で環境に配慮した漁業・養殖業から生産された水産物であること、流通加工段階認証は生産段階認証された水産物が、非認証水産物と混ざることなく、消費者のもとに確実に届くことをそれぞれ担保しています。
我が国では、マリン・エコラベル・ジャパン協議会(2016 年12月設立)がスキームオーナーとして、①漁業認証、②養殖認証および③CoC認証規格の維持管理を行っています。科学的根拠を重視しつつも、日本の漁業・養殖業の多様性を考慮に入れた認証規格であることが特徴となっています。
この日本発の水産エコラベルは、FAOの「責任ある漁業のための行動規範(Code of Conduct for Responsible fisheries)」や水産エコラベルガイドラインに則した認証の体制・規格となっていることを確認する機関であるGSSI(Global Sustainable Seafood Initiative, 世界水産物持続可能性イニシアチブ)に承認されています。
2.MEL認証の仕組み
※ MEL国際標準化のイメージ図(MEL協議会HPより)を一部改変 |
●スキームオーナー
スキームオーナーとは、認証基準を含め認証スキームの管理運営を行う組織をいいます。定期的に認証基準の改訂などを行います。
スキームオーナーのページはこちら→→
●認定機関
認定機関とは、スキームオーナーから提示された認証スキームに基づき、審査を実施する認証機関を認定し、認証機関の審査能力を保証する組織です。
●認証機関
認証基準に基づき、事業者を認証します。認証を実施できるのは、認定機関に認定された認証機関のみとなります。
3.MELの国際標準化について
MEL認証は、国際標準プラットホームであるGSSIの承認を得ています。また、認証機関である当研究所中央研究所は、審査・認証の信頼性を高めるため、国際的認定機関である「公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)」の認定を取得しています。
MEL認証制度の概説
→公益財団法人 海洋生物環境研究所の役割
→認証手順と認証申請
→認証受付状況・認証実績 |